ディスクのパーティション分割
さあ、ディスクのパーティションを分割しましょう。
パーティション分割に不安があったり、詳細を知りたければ、
をご覧ください。
ハードディスクを以前 Solaris で使用していた場合、
パーティショナーがドライブのサイズを正しく検出しない場合があります。
新しいパーティションテーブルを作成しても、この問題は解決しません。
これには、以下のようにドライブの先頭数セクタに、
ゼロ
を書き込みます。
# dd if=/dev/zero of=/dev/hdX bs=512 count=2; sync
これにより、ディスク上の既存データには、
アクセスできなくなることに注意してください。
最初に、ドライブのすべてか、またはドライブの有効な空き領域を、
自動的にパーティション分割するか選択する機会が与えられます。
これをガイド
パーティション分割とも呼びます。
自動分割を望まなければ、Manual を選んでください。
ガイドパーティション分割を選択した場合、選択肢が 3 つあります。
ハードディスクに直接パーティションを作成する (クラシック) 方法、
論理ボリューム管理 (LVM) を利用する方法、
暗号化 LVM
このインストーラでは、LVM ボリュームグループを 256 bit AES キーで暗号化し、
カーネルの dm-crypt
サポートを利用します。
を利用する方法です。
(暗号化 LVM を含む) LVM を使用する方法は、
すべてのアーキテクチャで使用できるわけではありません。
LVM や 暗号化 LVM を使用する場合、
インストーラが作成するほとんどのパーティションを、
大きなパーティションの中に作成します。
この利点は、大きなパーティションの中にあるパーティションを、
後から簡単に大きさを変更できることです。
暗号化 LVM の場合、
特殊なキーフレーズを知らずに大きなパーティションを読むことができません。
そのため、あなたの (個人) データにさらなるセキュリティを提供します。
暗号化 LVM を利用する場合、インストーラは、
自動的にランダムなデータを書き込んでディスクを消去します。
この機能は、(ディスクの使用中の領域を分からなくし、
以前インストールしていたものの痕跡を消去して) セキュリティを向上しますが、
ディスクのサイズにより、時間がかかることがあります。
LVM や 暗号化 LVM を使用してガイドパーティション分割を選択した場合、
パーティションテーブルへの変更は、
LVM のセットアップで選択したディスクに書き込まれる必要があります。
この変更によって、選択したハードディスクの現在のデータはすべて消去され、
後で元に戻すことができなくなります。
しかし、ディスクに書き込む前に、インストーラは変更してよいか確認してきます。
ディスク全体に対してガイドパーティション分割を選択した場合
(クラシックでも (暗号化) LVMでも) 、
まずはじめに、選択したディスクを使用してよいか尋ねられます。
複数ディスクがある場合、すべてのディスクが一覧され、
正しいものが選択されていることを確認してください。
表示順は、普段使っているものと違う可能性があります。
ディスクサイズを確認の手がかりにしてください。
ここでついに、ディスクのすべてのデータが失われますが、
ディスクに書き込む前に変更してよいか、必ず確認してきます。
パーティション分割にクラシック法を選択した場合は、終了する前に元に戻せますが、
(暗号化) LVM を使用する場合は元に戻せません。
次に、以下の表から分割案を選択できます。
どの案でも賛否両論あり、 で議論されています。
よくわからなければ、最初の項目を選択してください。
ガイドパーティション分割は、最低限動作する空き領域が必要なことを、
心に留めておいてください。
少なくとも 1GB の空き領域 (選択した方法に依存します) がなければ、
ガイドパーティション分割は失敗してしまいます。
パーティション分割方法
最低容量
作成するパーティション
All files in one partition
600MB
/, swap
Separate /home partition
500MB
/, /home, swap
Separate /home, /usr, /var and /tmp partitions
1GB
/, /home,
/usr, /var,
/tmp, swap
(暗号化) LVM を利用するガイドパーティション分割を行うと決めた場合、
インストーラは独立した /boot パーティションも作成します。
スワップパーティションを除くその他のパーティションは、
LVM パーティションの内部に作成します。
IA-64 システムに対してガイドパーティション分割を行うと決めた場合、
EFI ブートローダ用に、 FAT16 の起動可能ファイルシステムでフォーマットされた
追加パーティションがあるはずです。
手動で EFI ブートパーティションとしてパーティションをセットアップするよう、
フォーマットメニューに追加メニュー項目があります。
Alpha マシンに対してガイドパーティション分割を行うと決めた場合、
ディスクの先頭に aboot ブートローダ用の未フォーマット領域を、
追加で予約しなければなりません。
分割案を選択後、新しいパーティションテーブルが次の画面に表示されます。
ここでは、パーティションがどのようにフォーマットされるか、
どこにマウントされるかといった情報が含まれています。
パーティション一覧は以下のようになります。
IDE1 master (hda) - 6.4 GB WDC AC36400L
#1 primary 16.4 MB B f ext2 /boot
#2 primary 551.0 MB swap swap
#3 primary 5.8 GB ntfs
pri/log 8.2 MB FREE SPACE
IDE1 slave (hdb) - 80.0 GB ST380021A
#1 primary 15.9 MB ext3
#2 primary 996.0 MB fat16
#3 primary 3.9 GB xfs /home
#5 logical 6.0 GB f ext3 /
#6 logical 1.0 GB f ext3 /var
#7 logical 498.8 MB ext3
#8 logical 551.5 MB swap swap
#9 logical 65.8 GB ext2
この例では、2 つの IDE ハードディスクを、
いくつかのパーティションに分割しています。
第 1 ディスクには空き領域がいくらかあります。
パーティション行ごとに、パーティション番号、パーティションタイプ、サイズ、
追加フラグ、ファイルシステム、マウントポイントを (あれば) 表示しています。
注意: こういった詳細なセットアップはガイドパーティション分割では行えませんが、
手動パーティション分割で使用できる変化を示します。
これでガイドパーティション分割を終えます。
生成されたパーティションテーブルでよければ、
(本節の最後に書かれているように) 新しいパーティションテーブルを反映するよう、
Finish partitioning and write changes to disk
をメニューから選べます。
そうでなければ、もう一度ガイドパーティション分割をしたり、
以下に述べる手動パーティション分割で提案する変更を修正するのに
Undo changes to partitions を選択し、
ガイドパーティション分割を再実行してください。
または、以下に述べる手動パーティション分割で修正してください。
手動パーティション分割を選択すると、
既存のパーティションテーブルがマウントポイントなしで表示されるのを除き、
前述と同様の画面が表示されます。
パーティションテーブルの手動セットアップの方法と、
新しい Debian システムでのパーティションの使用法については、
本節の残りで扱います。
パーティションも空き領域もない、素のハードディスクを選択すると、
新しいパーティションテーブルを作成するか確認されます
(新しいパーティションを作成するのに必要)。
すると選択したディスクのパーティションテーブルに、
FREE SPACE
(空き領域) という新しい行が現れます。
空き領域を選択すると、新しいパーティションを作成できるようになります。
サイズやタイプ (基本か論理か) 、場所 (空き領域の先頭からか最後からか)
といった、一覧の簡単な質問に答えなければなりません。
この後、新しいパーティションの詳細な概要が得られます。
主な設定は、ファイルシステムがパーティションにある場合、
swap、ソフトウェア RAID、LVM、暗号化ファイルシステムとして使うか、
全く使わないかを決定する Use as: です。
その他には、マウントポイントやマウントオプション、
起動フラグといったパーティションの使用法に依存した設定があります。
あらかじめ選択されたデフォルト値が気に入らなければ、
自由にお好みのものへと変更してください。
例えば、オプション Use as: を選択すると、
スワップ、 ソフトウェア RAID、LVM、またそれ以外のファイルシステムに、
このパーティションを変更できます。
その他には、既存のパーティションからこのパーティションに、
データをコピーできるという便利な機能があります。
新しいパーティションに満足したら、
Done setting up the partition を選択して、
partman のメイン画面に戻ってください。
パーティションに対して変更を加えたい場合は、
単にそのパーティションを選択して下さい。
パーティションの設定メニューに入れます。
新しいパーティションを作成する際に使用するのと同じ画面ですので、
同様に設定を変更できます。
一見わかりづらいのは、
表示されているパーティションのサイズを選択して、サイズ変更ができることです。
動作することがわかっているファイルシステムは、
少なくとも fat16, fat32, ext2, ext3, swap です。
このメニューではパーティションを削除することもできます。
少なくとも 2 つのパーティションを必ず作成してください。
1 つは swap で、
もう 1 つは (/ にマウントする)
ルートファイルシステムです。
ルートファイルシステムをマウントし忘れると、
この問題を修正するまで partman は先に進みません。
EFI ブートパーティションをフォーマットし忘れた場合は、
partman がそれを検出し、行うまで先に進むことができません。
partman の機能は、インストーラモジュールで拡張できますが、
システムのアーキテクチャに依存します。
あるはずの機能を確認できなければ、すべての必要なモジュールが読み込まれているか
確認してください。
(例: partman-ext3,
partman-xfs,
partman-lvm)
パーティション分割に満足したら、パーティション分割メニューから
Finish partitioning and write changes to disk
を選択してください。
ディスクに行われる変更内容が表示され、
その通りファイルシステムを作成するかどうか確認することになります。